協働の流れ ①まずそれぞれの専門性を明らかにする ②専門性が異なる者同士で継続的に活動する ③連携、協働によって、新たな視点を得る 心理学者のタックマンのチームビルディング・モデル 「形成期、混乱期、統一期、機能期、散会期」 混乱期・・・嵐のような厳しい時期がある 人が集まる以上、援助チームの葛藤は避けられない ×派閥化 ×気の合うスタッフだけでラインのグループを作る、食事や飲み会に行く ×ウラでこっそり ×別のメンバーとこっそりチームの約束事を守ろうとしない ×気の合わない相手に重要な情報を伝えない ×孤立に追い込もうとする ×誰かに押し付ける 4つの固執(村松、2021) ×自分の立場に固執する(地位など) ×自分の価値観に固執する ×自分の専門的言葉に固執する ×自分の役割に固執する ⇒援助チームに危機が生じていると自覚を持てるようでないといけない ⇒確実に援助チームを崩壊に導いていく 海外には、専門職連携教育(Inter-professional Education:IPE)という実践がある。 多くは医学、看護学、ソーシャルワークの学生を対象にした大学教育で大変重視されている。 「葛藤マネジメント能力」がチームを成長させていく(松岡,2009) 葛藤マネジメント=問題を共に眺める ○どこで、なぜ葛藤が生じたか ○理性的姿勢、共通の情緒 ×ある人が理解してくれない、なぜそんなに頑ななのか ○葛藤が生じている、それはなぜなのか、と共に眺める姿勢 ○問題をウチからソトに出し、チームの課題として取り上げる ×仲良しチーム ○タフなチーム ○(更に言えば)ヒヤリ・ハットを個人の責任としない風土づくり ○(更に言えば)ケアの能力や対応スキルが低いという指摘だけで終わることなく、ねぎらいの言葉をかける教育指導助言が大切  ● ◎ ○ スタッフの相互理解とよりよいチームワークの基本姿勢 相手の考えを否定せず、「なぜそう考えるのか」を大切にすること 相手から学ぼうという姿勢(相手から学び自らの実践を変化させつつ、新たな視点を得ようとする活動そのものが連携・協働) 問題をウチからソトに出し、チームの課題として取り上げること ところでリーダーシップ リーダーシップとは何か? リーダーシップ研究で著名なラルフ・ストッディル(Stogdill,1974)は、リーダーシップを“集団目標の達成に向けてなされる集団の諸活動に影響を与える過程”であると包括的に定義 簡単に言えば過程です。更に言えば導く影響力のことです。皆さんが想像に難くないですね。ちなみにメンバーが他のメンバーを励まし鼓舞していればそれもリーダーシップと言えます(池田,2000)。 このリーダーシップが組織の成長と存続に不可欠です メンバーがリーダーシップを受け入れる要件 1、メンバーがリーダーを信頼すること(Kouzes&Posner,1993)  ⇒認知的信頼(カリスマ性) 情緒的信頼(献身性)  ※リーダーへの信頼が特に必要とされるのは組織変革の局面  ※リーダーが従来とは異なる行動をとっても許容し信頼する「特異信頼性」を日頃から蓄積していくことが求められる 2、リーダーとメンバーの関係性の質(Graen&Uhl-Bien,1995)  ・分有型リーダーシップ:リーダーシップを複数人で分担する(Gronn,2002)。  ・共有型リーダーシップ:メンバーもリーダーシップを発揮する。限定的なチームで発揮(Pearce&Conger,2003)。  ・変革型リーダーシップ:私欲から抜け出させ、鼓舞、知的刺激、個別的配慮などで高い欲求を活性化(Bass,1985)。  ・交流型リーダーシップ:パフォーマンスに即応した報酬行動で目標や課題を確実に遂行。  ・サーバント・リーダーシップ:下から支え奉仕する新しいリーダーシップ論(グリーンリーフ,R.K.,1970)  ・破壊的リーダーシップ:明らかに意図を持ち、繰り返される組織侵害行動。ハラスメントなど(Einarsen,Aasland,&Skog-stad,2007)。 何がリーダーをダークサイドに陥らせるのか? パディラ,ホーガン,カイザー(Padilla,Hogan and Kaiser, 2007)は、破壊的リーダーシップを引き出す要因として、有害な三角形を提唱 1、リーダー:自己の利益に志向したカリスマ、個人かされた勢力など 2、メンバー:リーダーにごまをするメンバーの存在、リーダーに挑戦的なメンバーの存在、自己評価の低さなど 3、環境:権力(勢力)の大きさ、不安定性など どれがいいの? ・アボリオ(Avolio,1999)のフルレンジ・リーダーシップによると、変革型リーダーシップは、交流型リーダーシップよりも、組織の実績やメンバーの満足感、モチベーションに効果的。ただし、両方を兼備することが最も望ましい。 ・三隅,1984 のPM理論によると課題達成や目標達成(パフォーマンス)を強調しながらも、同時に集団内の人間関係や雰囲気にも配慮(メンテナンス)するリーダー行動のパターンが望ましい。 ・フィードラー(Fiedler,1967)のコンティンジェンシー理論によると、状況がとても安定しているとき、または全く安定していないときはパフォーマンス志向が、どちらとも言えないときはメンテナンス志向をとることが集団業績に有効に働く。 ・ハーシーとブランチャード(Hersey&Blanchard,1977)のSL理論によると、メンバーの成熟度が低いほど指示的、成熟度が高くなるにつれて自主性を尊重したリーダーシップが有効。また、カーとジャミア(Kerr&Jemier,1987)は、マニュアルが存在し、職場の人間関係が円滑であれば、リーダーの必要性もなくなってくるというリーダーシップ代替論を唱えた。 リーダーシップのまとめ いつも寛容で、重要な局面でちゃんとし、カリスマ・ビジョン・知的刺激・助言を通して、交流(風通しが良く異論を受け入れる)(相手を尊敬)できるリーダーシップを目指そう(筆者作成) ~風通しのよい知的で柔軟な組織風土を形成しよう~ 参考文献